軽度認知障害とは?
軽度認知障害は正常な老化と認知症の間の状態です。本人や家族が認知機能の低下を感じ、検査でも同じ年齢・教育歴の人より低い結果が出ますが、日常生活の自立が保たれている点で認知症と異なります。主に記憶が落ちる健忘型はアルツハイマー病に進む可能性が比較的高く、注意・言語・実行機能が落ちる非健忘型もあります。
どのくらい多く、必ず認知症になるのか?
2018年の米国神経学会(AAN)ガイドラインがまとめた有病率は、60〜64歳6.7%、65〜69歳8.4%、70〜74歳10.1%、75〜79歳14.8%、80〜84歳25.2%です。65歳以上の軽度認知障害の人が2年以内に認知症になった割合は14.9%でした。一方で、そのまま維持されたり正常に戻ったりする人もいます。
評価
- スクリーニング検査:MMSEやMoCA(日本語版MoCA-J)などを使います。MoCAの開発研究では、26点を基準とした感度はMoCA 90%、MMSE 18%でした。
- 詳しい評価:神経心理検査や日常生活機能の評価を行います。
- 原因の確認:甲状腺機能、ビタミンB12、うつ、睡眠時無呼吸、薬の副作用など治療できる原因を確かめ、必要なら脳MRIやバイオマーカー検査を行います。
検査の正確さの考え方は測定の信頼性と妥当性をご覧ください。
対策
AANガイドラインは、軽度認知障害に効果が証明された薬はないとし、定期的な運動を推奨(レベルB)、認知トレーニングは検討してよい(レベルC)としています。認知に影響する薬を減らし、血圧や糖尿病などの血管の危険因子、聴力の管理、社会活動を続けることが大切です。アルツハイマー病の脳の変化はアルツハイマー病の病理とアミロイド仮説にまとめています。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 人の名前が出てこないのはMCIのサインですか?
- ときどき名前を忘れるのは年齢相応のことが多いです。以前よりはっきり、継続して衰えていると本人や家族が感じる場合は、もの忘れ外来などで検査を相談しましょう。
出典確認日:2026-10-25
参考文献
- Petersen, R. C., et al. (1999). Mild cognitive impairment: clinical characterization and outcome. Archives of Neurology, 56(3), 303–308.
- Petersen, R. C., et al. (2018). Practice guideline update summary: Mild cognitive impairment. Neurology, 90(3), 126–135.
- Nasreddine, Z. S., et al. (2005). The Montreal Cognitive Assessment, MoCA. Journal of the American Geriatrics Society, 53(4), 695–699.
