概念の歴史
1979〜80年、米国の国立糖尿病データグループとWHOは、ブドウ糖負荷試験で正常と糖尿病の中間を示す状態を「耐糖能異常」と定義しました。1997年に米国糖尿病学会が糖尿病の空腹時基準を140から126mg/dLへ下げた際、110〜125を「空腹時血糖異常」として新設しました(米国は2003年に下限を100へ変更)。日本糖尿病学会は110〜125mg/dLを境界型とし、100〜109を「正常高値」としています。2002年の米国DPP研究で生活習慣改善が発症を58%減らすと示され、予備群の段階で食い止める戦略が世界標準になりました。
基準とリスク
空腹時血糖110〜125mg/dL、または75g負荷後2時間値140〜199mg/dLが境界型で、HbA1c6.0〜6.4%も強く疑われます。厚生労働省の調査では「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,000万人と推計されています。毎年一定割合が糖尿病に進み、発症前から心血管リスクも高まります。腹囲や中性脂肪の異常が重なればメタボリックシンドロームの可能性があります。
正常に戻すには
最も確かな方法は体重の5〜7%減量と週150分以上の運動です。食後10〜15分の散歩は血糖の急上昇を抑え、筋トレは糖を取り込む筋肉を増やします。白米や甘い飲み物を控え、野菜とたんぱく質から食べる習慣、7時間前後の睡眠も大切です。16時間断食などは減量の一手段になりえますが、続けられる方法を選ぶことが鍵です。年に1回は健診で血糖とHbA1cを確認しましょう。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 境界型でも薬は必要ですか?
- 多くはまず生活習慣の改善で、薬が必要かは医師が判断します。
- 朝だけ血糖が高いのはなぜ?
- 明け方のホルモンで肝臓から糖が出る「暁現象」の可能性があります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- American Diabetes Association. (2025). Standards of Care in Diabetes—2025. Diabetes Care, 48(Suppl 1).
- Knowler, W. C., et al. (2002). Reduction in the incidence of type 2 diabetes with lifestyle intervention or metformin (DPP). NEJM, 346(6), 393–403.
- 대한당뇨병학회. (2024). Diabetes Fact Sheet in Korea 2024.
