背景
1950〜60年代、途上国は急速に成長しましたが、貧困層が得たものはわずかでした。成長の果実が滴り落ちる(トリクルダウン)ことに疑問を抱いた世界銀行とサセックス大学開発研究所(IDS)は、1974年にRedistribution with Growthを刊行しました。
主な主張
- 既存の資産を急進的に再分配するのではなく、毎年の成長の増分を貧困層に振り向ける。
- 教育、保健、土地、信用といった貧困層の生産的資産を高め、所得を増やせるようにする。
- 総成長率だけでなく、貧困層に重みを付けた成長指標で政策を評価する。
評価
クズネッツ的なトレードオフに反して成長と公平は両立しうると論じたことで、ベーシック・ニーズ、貧困層重視の成長、包摂的成長といったアプローチへの道を開きました。批判者は、政治的実現可能性と財源をその限界として挙げています。
参考文献
- Chenery, H., Ahluwalia, M. S., Bell, C. L. G., Duloy, J. H., & Jolly, R. (1974). Redistribution with Growth. Oxford University Press.
- Kuznets, S. (1955). Economic growth and income inequality. American Economic Review, 45(1), 1-28.
- Todaro, M. P., & Smith, S. C. (2020). Economic Development (13th ed.). Pearson.