わかりやすい例
サイコロを1個振ると1〜6が均等に出て、正規分布とはまったく違います。ところが30個振って平均をとることを何千回も繰り返すと、平均値は3.5を中心とした釣鐘型の正規分布になります。その散らばり(標準誤差)は元の標準偏差σを√nで割った値なので、サンプルを4倍にすると誤差は半分になります。
なぜ重要か
母集団の分布がわからなくても標本平均に正規分布を使えるため、信頼区間、t検定、p値の計算の多くの土台になっています。世論調査の「誤差±3ポイント」もこれに基づきます。n≥30は目安にすぎず、所得のように偏りが大きい分布ではもっと大きなサンプルが必要です。分散が無限のコーシー分布では成り立ちません。
よくある質問
- データそのものが正規分布になる?
- いいえ。正規分布に近づくのは標本平均の分布です。
- サンプルは大きいほど良い?
- 誤差は√nに比例してしか減らず、偏った標本は大きくしても直りません。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Fischer, H. (2011). A History of the Central Limit Theorem. Springer.
- Laplace, P.-S. (1812). Théorie analytique des probabilités.
- Wasserman, L. (2004). All of Statistics. Springer.
