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シンプソンのパラドックス

➗ 数学・統計 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
要点:シンプソンのパラドックスとは、複数の集団それぞれに現れる傾向が、集団を合算すると消えたり逆転したりする統計的現象です。隠れた交絡変数と集団の大きさの不均衡から生じます。
目次
  1. 1. 意味
  2. 2. 代表的な例
  3. 3. なぜ起こるのか
  4. 4. どう解釈するか
  5. 5. 参考文献

意味

シンプソンのパラドックスは、部分集団に分けたデータと、同じデータを合算したものとが正反対の結論を示すときに起こります。英国の統計学者エドワード・H・シンプソンが1951年に記述しましたが、カール・ピアソンとウドニー・ユールがそれ以前に同様の効果を指摘していました。

代表的な例

  • 腎結石の治療(Charig et al., 1986):開腹手術(A)は小さい結石でも大きい結石でも経皮的腎砕石術(B)より成功率が高かったにもかかわらず、全体ではBのほうが良く見えました(A 78%、B 83%)。難しい大きな結石の症例の多くがAを受けていたためです。
  • バークレー校の大学院入試(Bickel et al., 1975):全体では女性の合格率が低く見えましたが、多くの学科内では差がないか、女性にやや有利な小さな差でした。女性は競争の激しい学科により多く出願していました。

なぜ起こるのか

第三の変数(交絡因子)が結果に影響し、かつ集団の割り当てと関連しています。集団の大きさが大きく異なると、合算した比率は加重平均となり、方向が反転しうるのです。

どう解釈するか

合算した答えと層別の答えのどちらが正しいかは、数値だけでは決められず、因果構造によります。ジューディア・パールは、どの変数を調整すべきかは因果ダイアグラムが教えてくれると論じています。無作為化、層別分析、回帰による調整は交絡を減らし、これは根拠に基づく実践のために研究を読む際に重要です。

参考文献

  1. Simpson, E. H. (1951). The interpretation of interaction in contingency tables. Journal of the Royal Statistical Society, Series B, 13(2), 238-241.
  2. Bickel, P. J., Hammel, E. A., & O'Connell, J. W. (1975). Sex bias in graduate admissions: Data from Berkeley. Science, 187(4175), 398-404.
  3. Charig, C. R., Webb, D. R., Payne, S. R., & Wickham, J. E. (1986). Comparison of treatment of renal calculi by open surgery, percutaneous nephrolithotomy, and extracorporeal shockwave lithotripsy. BMJ, 292(6524), 879-882.
  4. Pearl, J. (2014). Comment: Understanding Simpson's paradox. The American Statistician, 68(1), 8-13.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。