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従属理論

👥 社会学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
従属理論とは、1950〜70年代にラテンアメリカを中心に生まれた理論で、貧しい国の低開発は単なるスタートの遅れではなく、豊かな中心国への従属を軸とする世界経済の構造がもたらしたものだと考えます。
目次
  1. 1. 近代化論への反論
  2. 2. 低開発の発展
  3. 3. 修正と批判
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

近代化論への反論

1950年代の主流の開発論は、W・W・ロストウの『経済成長の諸段階』(1960年)のように、どの国も伝統社会から高度大衆消費社会へ同じ段階をたどるとする近代化論でした。これに対し、国連ラテンアメリカ経済委員会(ECLA)のラウル・プレビッシュと経済学者ハンス・シンガーは1950年、一次産品を輸出し工業製品を輸入する周辺国の交易条件は長期的に悪化するという「プレビッシュ=シンガー命題」を示しました。この分析は比較優位にもとづく自由貿易が誰にとっても有益だという通念に疑問を投げかけ、多くの国で工業製品の輸入を国内生産に置き換える輸入代替工業化政策の根拠となりました。

低開発の発展

1960年代に輸入代替政策が行き詰まると、より急進的な従属理論が現れます。アンドレ・グンダー・フランクは1966年の論文「低開発の発展」で、ラテンアメリカの貧困は資本主義に組み込まれなかったからではなく、植民地時代から中心に余剰を吸い上げられる形で組み込まれたためだと主張しました。ブラジルのテオトニオ・ドスサントスは従属を一国の経済が他国の拡大に左右される状況と定義し、エジプト出身のサミール・アミンは世界的規模での資本蓄積と不等価交換を分析しました。こうした見方はマルクス主義的な葛藤理論の国際版ともいえ、のちにウォーラーステインの世界システム論へと受け継がれます。

修正と批判

フェルナンド・エンリケ・カルドーゾとエンツォ・ファレットは『ラテンアメリカにおける従属と発展』(1969年)で、従属のもとでも一定の工業化は可能だとする「従属的発展」を示し、ピーター・エヴァンス(1979年)はブラジルにおける多国籍企業・国家・国内資本の同盟を分析しました。1970〜80年代に韓国や台湾など東アジアが輸出志向工業化で高成長を遂げると、世界市場への参加がそのまま低開発を生むという強い従属論は大きな挑戦を受けます。アリス・アムスデン(1989年)は韓国の成長を国家主導の後発工業化として説明しました。それでも従属理論は、一次産品への依存、国家間の格差、グローバル化の非対称性を考える視点として今も参照されています。

よくある質問

従属理論と世界システム論の違いは?
従属理論は主に中心国と周辺国の関係を分析し、世界システム論はそれを広げて、半周辺を含む一つの世界経済全体を分析の単位とします。
韓国の経済成長は従属理論で説明できる?
強い従属論では説明しにくいという評価が多数です。ただし初期の援助や輸出市場への依存、外国資本・技術の役割に注目する修正版の従属的発展論で分析した研究もあります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Prebisch, R. (1950). The Economic Development of Latin America and Its Principal Problems. New York: United Nations (ECLA).
  2. Singer, H. W. (1950). The distribution of gains between investing and borrowing countries. American Economic Review, 40(2), 473–485.
  3. Rostow, W. W. (1960). The Stages of Economic Growth: A Non-Communist Manifesto. Cambridge University Press.
  4. Frank, A. G. (1966). The development of underdevelopment. Monthly Review, 18(4), 17–31.
  5. Cardoso, F. H., & Faletto, E. (1969). Dependencia y desarrollo en América Latina. México: Siglo XXI.
  6. Dos Santos, T. (1970). The structure of dependence. American Economic Review, 60(2), 231–236.
  7. Amin, S. (1970). L'accumulation à l'échelle mondiale. Paris: Anthropos.
  8. Wallerstein, I. (1974). The Modern World-System I. New York: Academic Press.
  9. Evans, P. (1979). Dependent Development: The Alliance of Multinational, State, and Local Capital in Brazil. Princeton University Press.
  10. Amsden, A. H. (1989). Asia's Next Giant: South Korea and Late Industrialization. New York: Oxford University Press.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。