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GABA

🩺 看護・保健学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
GABA(γ-アミノ酪酸)は脳や脊髄で神経細胞の興奮を抑える代表的な抑制性神経伝達物質で、「脳のブレーキ」と呼ばれます。
目次
  1. 1. 脳のブレーキ
  2. 2. 薬とお酒が作用する場所
  3. 3. GABA入り食品とサプリ
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

脳のブレーキ

GABAは1950年に米国のユージン・ロバーツとホルヘ・アワパラがそれぞれ哺乳類の脳に大量にあることを確認し、1960年代に神経信号を抑える伝達物質として認められました。興奮性の伝達物質グルタミン酸から酵素(GAD)ひとつで作られ、アクセル役のグルタミン酸とブレーキ役のGABAがつり合うことで脳は安定して働きます。GABAがGABA-A受容体に結合すると塩化物イオンのチャネルが開き、神経細胞は信号を出しにくくなります。脳のシナプスのおよそ3分の1がGABAを使うといわれます。ドーパミンやセロトニンが気分や意欲を調整するのに対し、GABAは全体の興奮レベルを下げる役割に近いものです。

薬とお酒が作用する場所

多くの神経系の薬がGABAの仕組みを狙っています。不安やパニックに使うベンゾジアゼピン系薬(アルプラゾラム、ロラゼパムなど)やゾルピデムなどの睡眠薬はGABA-A受容体に結合してGABAの作用を強めます。そのため鎮静・眠気・筋弛緩が起こり不安障害や不眠症の治療に使われますが、長く使うと耐性や依存が生じ、急にやめると離脱症状が出ることがあります。アルコールもGABA-A受容体を強めて緊張をほぐしますが、お酒とこれらの薬を一緒に飲むと呼吸が抑えられるほど危険です。一部の抗てんかん薬もGABAを増やして発作を防ぎます。

GABA入り食品とサプリ

日本では「GABA配合」のチョコレートや発芽玄米、漬物・ヨーグルトなどの発酵食品が機能性表示食品として「ストレスの緩和」「睡眠の質の改善」をうたうことがあります。しかし口から摂ったGABAが血液脳関門をどれだけ通るかはまだはっきりせず、2015年の総説は効果を示した研究が小規模で質もまちまちだと評価しました。血圧をわずかに下げるという報告もありますが、決定的ではありません。睡眠や不安の悩みが続くなら、サプリより睡眠習慣の見直しや受診を優先しましょう。処方の鎮静薬を飲んでいる人は、サプリを足す前に医師・薬剤師に相談してください。

この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。

よくある質問

GABAのサプリを飲むとよく眠れますか?
小規模な研究で効果が報告されていますが根拠は弱く、摂ったGABAが脳にどれだけ届くかも確かではありません。不眠が続く場合は受診がおすすめです。
睡眠薬とお酒を一緒に飲むとなぜ危険なのですか?
どちらもGABA-A受容体を強めるため作用が重なります。鎮静が強くなりすぎて呼吸が抑えられ、事故の危険も高まります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Roberts, E., & Frankel, S. (1950). γ-Aminobutyric acid in brain: its formation from glutamic acid. Journal of Biological Chemistry, 187(1), 55–63.
  2. Sigel, E., & Steinmann, M. E. (2012). Structure, function, and modulation of GABA-A receptors. Journal of Biological Chemistry, 287(48), 40224–40231.
  3. Boonstra, E., et al. (2015). Neurotransmitters as food supplements: the effects of GABA on brain and behavior. Frontiers in Psychology, 6, 1520.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。