CampusDownWiki
累計引用 11,386한국어KO 2,690EnglishEN 6,452日本語JA 750中文ZH 1,494
CampusDown(韓国語)↗
日本語

双曲割引

📈 経済学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
双曲割引とは、人が将来の報酬の価値を割り引くとき、現在に近い時点では遅れに非常に敏感で大きく割り引き、遠い時点では同じ遅れでもあまり割り引かない傾向を指します。その結果、前もって立てた計画をその時になると覆す「時間的非整合性」が生じ、行動経済学の中心的な概念となりました。
目次
  1. 1. 指数割引と選好の逆転
  2. 2. 準双曲割引モデルと主体のタイプ
  3. 3. 実証研究と応用
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

指数割引と選好の逆転

サミュエルソン(1937年)が提案した割引効用モデルは、将来の報酬を毎期同じ率で割り引く「指数割引」を仮定します。この場合、今日と明日の間の選択と、1年後と1年と1日後の間の選択は同じ結論になるため、選好は時間を通じて一貫します。しかしストロッツ(1955年)は、割引率が一定でなければ人は自分の過去の計画を自ら覆してしまうと指摘しました。エインズリー(1975年)は動物と人間の実験で、割引曲線が遅れの初期に急激に下がりその後緩やかになる双曲線の形をとることを示し、メイザー(1987年)は価値が1/(1+kD)に比例する双曲関数を提示しました。このような曲線では、「今日1万円か明日1万1千円か」では今日を選びながら、「1年後の1万円か1年と1日後の1万1千円か」では遅いほうを選ぶ「選好の逆転」が起こります。セイラー(1981年)は、期間が短いほど年率換算の割引率が非常に高くなるという証拠をアンケートで示しました。

準双曲割引モデルと主体のタイプ

レイブソン(1997年)は、分析しやすい「準双曲」あるいは「β-δ」モデルを提案しました。現在とそれ以降のすべての時点の間に追加の割引係数β(1より小さい)をかけ、その先は通常の指数割引δを適用するもので、即時の満足を特に好む「現在バイアス」を捉えます。レイブソンはこのモデルで、人々が流動性の低い資産(金の卵)をコミットメント手段として持ちながら、同時にクレジットカードの借金を抱える現象を説明しました。オドノヒューとラビン(1999年)は、自分の将来の現在バイアスを知らない「ナイーブな」主体と、それを見越す「洗練された」主体を区別し、ナイーブな人は楽しいことは前倒しし、面倒なことは先延ばしし続ける傾向があることを示しました。マクルーアら(2004年)は脳画像研究で、即時の報酬には辺縁系が、遅延報酬には前頭前野がより強く関与するという結果を報告しました。ただしフレデリック、ローウェンスタイン、オドノヒュー(2002年)は、割引率の推定値が研究ごとに大きく異なると注意を促しています。

実証研究と応用

デラヴィーニャとマルメンディア(2006年)は、ジムの月会費会員の利用回数が少なく、都度払いよりも多く支払っていることを、将来の自分の運動意欲を過大評価する現在バイアスで説明しました。アシュラフ、カーラン、イン(2006年)はフィリピンで引き出しを自ら制限するコミットメント型の貯蓄商品を提供し、多くの人が加入して貯蓄が増えたというフィールド実験の結果を報告しました。セイラーとベナルチ(2004年)の「明日はもっと貯蓄しよう(SMarT)」プログラムは、将来の昇給分の一部を前もって貯蓄に回すと約束させることで、退職年金の貯蓄率を大きく高めました。双曲割引は現在価値と割引率の標準的な考え方を補い、ナッジやメンタル・アカウンティングとともに、貯蓄、健康行動、学習計画といった長期的な意思決定を理解するために広く用いられています。

よくある質問

双曲割引を簡単に言うと?
今すぐもらえる報酬はとても大きく感じ、少し遅れるだけで価値を大きく割り引く一方、遠い将来どうしの比較では比較的辛抱強くなる傾向です。
指数割引とどう違いますか?
指数割引は毎期同じ率で割り引くので計画が一貫しますが、双曲割引は近い時点ほど大きく割り引くため、前もって立てた計画を後で覆す時間的非整合性が生じます。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Samuelson, P. A. (1937). A note on measurement of utility. Review of Economic Studies, 4(2), 155–161.
  2. Strotz, R. H. (1955). Myopia and inconsistency in dynamic utility maximization. Review of Economic Studies, 23(3), 165–180.
  3. Ainslie, G. (1975). Specious reward: A behavioral theory of impulsiveness and impulse control. Psychological Bulletin, 82(4), 463–496.
  4. Thaler, R. (1981). Some empirical evidence on dynamic inconsistency. Economics Letters, 8(3), 201–207.
  5. Mazur, J. E. (1987). An adjusting procedure for studying delayed reinforcement. In M. L. Commons, J. E. Mazur, J. A. Nevin, & H. Rachlin (Eds.), Quantitative Analyses of Behavior (Vol. 5, pp. 55–73). Hillsdale, NJ: Erlbaum.
  6. Loewenstein, G., & Prelec, D. (1992). Anomalies in intertemporal choice: Evidence and an interpretation. Quarterly Journal of Economics, 107(2), 573–597.
  7. Laibson, D. (1997). Golden eggs and hyperbolic discounting. Quarterly Journal of Economics, 112(2), 443–477.
  8. O'Donoghue, T., & Rabin, M. (1999). Doing it now or later. American Economic Review, 89(1), 103–124.
  9. Frederick, S., Loewenstein, G., & O'Donoghue, T. (2002). Time discounting and time preference: A critical review. Journal of Economic Literature, 40(2), 351–401.
  10. McClure, S. M., Laibson, D. I., Loewenstein, G., & Cohen, J. D. (2004). Separate neural systems value immediate and delayed monetary rewards. Science, 306(5695), 503–507.
  11. Thaler, R. H., & Benartzi, S. (2004). Save More Tomorrow: Using behavioral economics to increase employee saving. Journal of Political Economy, 112(S1), S164–S187.
  12. DellaVigna, S., & Malmendier, U. (2006). Paying not to go to the gym. American Economic Review, 96(3), 694–719.
  13. Ashraf, N., Karlan, D., & Yin, W. (2006). Tying Odysseus to the mast: Evidence from a commitment savings product in the Philippines. Quarterly Journal of Economics, 121(2), 635–672.

この理論を使ったレポート・資料(韓国語)

この理論だけを扱った資料はまだありませんが、CampusDown 資料室(韓国語)で関連レポートを検索できます。

レポートをもっと探す・「쌍곡선 할인」の検索結果 →
現在価値と割引率現在価値の意味と「今日の100万円が1年後の100万円より価値がある理由」、PV=FV÷(1+r)ⁿの計算例、割引率の決め方(機会費用・リスク)、NPVによる投資判断、金利上昇でグロース株が下がる理由をまとめました。📈 経済学メンタル・アカウンティング人がお金を出どころと用途ごとに分けて異なる扱いをするメンタル・アカウンティングの意味と起源、プロスペクト理論との関係、獲得効用と取引効用、サンクコスト・ハウスマネー・気質効果、貯蓄と負債、実証研究と政策的含意を解説します。📈 経済学ナッジナッジ(nudge)の意味とセイラー、サンスティーンの選択アーキテクチャ、初期設定を変えるだけで年金加入率や臓器提供の同意率が大きく変わった研究、日本版ナッジ・ユニットなどの例、ダークパターンとの違いと批判をまとめました。📈 経済学プロスペクト理論と損失回避カーネマンとトベルスキーのプロスペクト理論と損失回避の意味、参照点・価値関数・確率加重のポイント、損失は利得の約2倍重く感じるという研究、マグカップの保有効果実験、株式投資や買い物での例と対処法をまとめました。📈 経済学限定合理性情報・時間・認知能力の限界の中で人は最適ではなく「十分に満足できる」選択をするという限定合理性の意味、サイモンの満足化と経営行動、企業の行動理論と取引費用、カーネマンとトヴェルスキーのヒューリスティックとバイアス、ギゲレンツァーの生態学的合理性、合理的無関心と資源合理性を解説します。🧠 心理学

あわせて読みたい理論

最新記事すべて見る ›

大学の勉強・課題に役立つ新着記事(韓国語)

この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。