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マンデル=フレミング・モデル

📈 経済学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
マンデル=フレミング・モデルは、ケインズ的IS-LMモデルに国際収支(BP)と資本移動を加えた開放経済マクロモデルです。資本移動が自由な小国では、変動相場制なら金融政策が、固定相場制なら財政政策が産出に有効だという結論で知られます。
目次
  1. 1. モデルの構造
  2. 2. 為替制度別の政策効果
  3. 3. 拡張と限界
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

モデルの構造

1960年代初め、IMF調査局にいたマンデルとフレミングはそれぞれケインズ的IS-LM分析を開放経済に拡張しました。モデルは財市場均衡(IS)、貨幣市場均衡(LM)、国際収支均衡(BP)の3本の曲線からなります。主な仮定は、短期的に物価が固定され、自国は世界利子率に影響を与えない小国開放経済であり、資本が完全に移動することです。資本が完全に移動すれば国内利子率は世界利子率から乖離できず、BP曲線は水平になります。国内利子率がわずかに上がれば外国資本が大量に流入し、下がれば流出するからです。マンデルはこの研究などで1999年にノーベル経済学賞を受賞しました。

為替制度別の政策効果

変動相場制で政府が財政支出を増やすと、利子率上昇圧力で資本が流入し通貨が増価します。その結果純輸出が減り、財政拡大の効果は相殺されます。これは国際的なクラウディング・アウトといえます。一方、金融緩和は利子率低下圧力で資本流出と通貨減価をもたらし、純輸出が増えて産出が大きく増加します。固定相場制では結果が逆になります。金融緩和は資本流出と減価圧力を生み、中央銀行が為替を守るため外貨を売って通貨を吸収するので効果がありません。財政拡大は資本流入と増価圧力を生み、中央銀行が自国通貨を供給するため貨幣量が自動的に増え、産出効果が大きくなります。この対称的な結論は「国際金融のトリレンマ」の理論的基礎となりました。

拡張と限界

ドーンブッシュ(1976年)は、物価はゆっくり、為替は即座に調整されるという仮定を加え、金融緩和時に為替が長期均衡以上に一時的に減価する「オーバーシューティング」を説明しました。マンデル=フレミング・モデルは単純で直観的なため、今も学部マクロ経済学と政策論議の基本的枠組みですが、限界も明らかです。固定物価、静学的期待、ミクロ的基礎の欠如が批判され、オブストフェルドとロゴフ(1995年)の「新しい開放マクロ経済学」やガリとモナチェリ(2005年)のようなDSGEモデルが取って代わる流れが生まれました。クルーグマン(1999年)は外貨建て債務の多い新興国では通貨減価がバランスシートを悪化させ、かえって景気を縮小させうると指摘しました。レイ(2013年)は、グローバル金融サイクルのため変動相場制だけでは金融政策の独立性が保証されないと主張しました。

よくある質問

マンデル=フレミング・モデルを簡単に言うと?
資本が自由に国境を越える小国では、為替を固定するか変動させるかによって、財政政策と金融政策のどちらが景気対策に効くかが変わるというモデルです。
変動相場制で財政政策の効果が弱いのはなぜですか?
財政支出を増やすと利子率上昇圧力で外国資本が流入して通貨が増価し、輸出が減って財政拡大の効果が相殺されるからです。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

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  3. Mundell, R. A. (1962). The appropriate use of monetary and fiscal policy for internal and external stability. IMF Staff Papers, 9(1), 70–79.
  4. Mundell, R. A. (1968). International Economics. New York: Macmillan.
  5. Dornbusch, R. (1976). Expectations and exchange rate dynamics. Journal of Political Economy, 84(6), 1161–1176.
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  13. Rey, H. (2013). Dilemma not trilemma: The global financial cycle and monetary policy independence. Jackson Hole Economic Policy Symposium Proceedings, 285–333.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。