NVCとは
NVC(Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)は、相手を責めたり決めつけたりせずに、観察・感情・ニーズ・リクエストの4つの要素で正直に伝え、同じ枠組みで相手の話を共感しながら聴くコミュニケーションの方法です。カール・ロジャーズに学んだアメリカの心理学者マーシャル・B・ローゼンバーグが、1960年代に人種統合がすすむ学校での対立の仲裁から発展させ、1984年に非暴力コミュニケーションセンター(CNVC)を設立しました。「共感的コミュニケーション」とも呼ばれます。
- 提唱者
- マーシャル・B・ローゼンバーグ
- 4つの要素
- 観察、感情、ニーズ、リクエスト
- 2つの方向
- 正直に伝える+共感して聴く
- たとえ
- キリン(共感)とジャッカル(判断)
4つの要素
| 要素 | ポイント | 例 |
|---|---|---|
| 観察 | 評価をまじえず、見たこと・聞いたこと | 「今週、夜11時すぎに帰ってきたのが3回あったよね」 |
| 感情 | 考えではなく気持ち | 「わたしは不安で、さびしかった」 |
| ニーズ | 気持ちの奥にある大切なもの | 「安心したいし、いっしょに過ごす時間を大事にしたいから」 |
| リクエスト | 具体的で実行できる、強制ではないお願い | 「遅くなるときは10時までにLINEしてくれる?」 |
観察と評価を分ける
ローゼンバーグは「観察に評価がまざると、相手は批判として受けとる」と述べています。「いつも遅いよね」は評価、「今週3回、11時すぎだった」は観察です。また「ないがしろにされた気がする」には相手への解釈がふくまれているので、その下にある「さびしい」「悲しい」といった気持ちを探す練習をします。
お願いか強制かは、断られたときにわかります。相手に「ノー」と言われたとき、責めたり罰したりするなら、それはお願いではなく強制だったということです。NVCでは「ノー」は会話の終わりではなく、相手のニーズを聴くチャンスです。「察してほしい」「言わなくてもわかるはず」となりがちな家族ほど、ニーズとリクエストを言葉にする練習が役に立ちます。
アイメッセージとのちがい
| 項目 | 나 전달법 | アイメッセージ | NVC |
|---|---|---|---|
| 構成 | 行動・影響・気持ち | 観察・感情・ニーズ・リクエスト | |
| 加わる要素 | - | ニーズ、具体的なお願い | |
| 聴き方 | 적극적 경청 | 能動的な聞き方とセット | 相手の感情とニーズを推測しながら共感 |
活用と批判
家族や夫婦のカウンセリング、学校での修復的な取り組み、職場の対立の仲裁などで使われています。いっぽうで、型どおりに使うと不自然で相手をコントロールしようとしているように聞こえることがある、DVのように力の差が大きい関係は話し方だけでは解決できない、効果についての厳密な研究がまだ少ない、といった指摘もあります。
よくある質問
- NVCの4つのステップは?
- 観察、感情、ニーズ、リクエストです。
- 感情と考えはどう見分けますか?
- 「〜と感じる」のあとに相手への判断がくるなら考えです。うれしい、不安、さびしいなど自分の状態をあらわす言葉が感情です。
- キリンとジャッカルとは?
- ローゼンバーグのたとえで、キリンは共感の言葉、ジャッカルは判断や非難の言葉をあらわします。
参考文献
- Rosenberg, M. B. (2003). Nonviolent communication: A language of life (2nd ed.). Encinitas, CA: PuddleDancer Press.
- Center for Nonviolent Communication. (n.d.). What is NVC? https://www.cnvc.org/
