歴史
ポーランド出身の統計学者イェジ・ネイマンは1937年の論文で信頼区間の理論を体系化しました。当時ロナルド・フィッシャーは「フィデューシャル確率」という別の方法を主張して激しく論争しましたが、最終的にはネイマンの頻度論的な解釈が標準となりました。1980年代以降、医学誌はp値だけを報告する慣行を批判して信頼区間の報告を求めるようになり、2010年代の再現性危機以降は心理学でも「新しい統計」として効果量と信頼区間中心の報告が広がりました。
計算と正しい解釈
平均の95%信頼区間はおおよそ「標本平均±1.96×標準誤差」です。標準誤差は標準偏差を√nで割った値なので、標本を4倍にすると区間幅は半分になります。1.96は正規分布の両側2.5%を切り取る値で、小標本ではt分布の値を使います。よくある誤解は「この区間に真値がある確率が95%」という解釈です。正確には、同じ方法で標本を100回取って区間を作ると約95個が真値を含むという意味で、確率は方法についてのものであり、特定の区間についてのものではありません。
活用
世論調査の「信頼水準95%で±3.1ポイント」がまさに信頼区間です。2人の候補の支持率差が誤差幅の内側なら、順位は断定できません。差の信頼区間が0を含まなければ有意水準5%のt検定で有意なのと同じで、p値の情報に加えて効果の大きさと精度も示せます。望む精度を得るには、事前に標本サイズを計算しておく必要があります。
よくある質問
- 95%と99%ではどちらが良い?
- 99%区間は広く確実ですが精度は落ちます。慣例的には95%がよく使われます。
- 区間が0を含むと?
- 差がない可能性を否定できず、統計的に有意ではないという意味です。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Neyman, J. (1937). Outline of a theory of statistical estimation based on the classical theory of probability. Phil. Trans. R. Soc. A, 236, 333–380.
- Cumming, G. (2014). The new statistics: Why and how. Psychological Science, 25(1), 7–29.
- Greenland, S., et al. (2016). Statistical tests, P values, confidence intervals, and power. Eur J Epidemiol, 31, 337–350.
