CampusDownWiki
累計引用 10,504한국어KO 2,688EnglishEN 5,587日本語JA 747中文ZH 1,482
CampusDown(韓国語)↗
日本語

グリット

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
グリット(grit)とは心理学者アンジェラ・ダックワースが提唱した概念で、長期的な目標に向けて興味を保ち続ける情熱と、困難があっても努力を続ける粘り強さを合わせたものです。日本では「やり抜く力」として知られています。
目次
  1. 1. 概念の誕生
  2. 2. 主な研究結果
  3. 3. 批判と評価
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

概念の誕生

才能と努力のどちらが成功を左右するのかという問いは古くからあります。フランシス・ゴルトンは『遺伝的天才』(1869年)で、傑出した人物には能力に加えて熱意と働き続ける力があると書きました。2007年、アンジェラ・ダックワースとクリストファー・ピーターソンらはこれを「長期的な目標に対する粘り強さと情熱」と定義し、グリットと名づけました。グリットは、関心が移り変わりにくい「興味の一貫性」と、挫折しても努力を続ける「努力の粘り強さ」の二つの側面で測定されます。12項目の尺度(2007年)と8項目の短縮版Grit-S(2009年)が代表的です。

主な研究結果

初期の研究では、グリットはIQとは別に、米陸軍士官学校(ウェストポイント)新入生が過酷な夏季訓練をやり遂げるか、全米スペリング・ビーでどこまで勝ち進むか、名門大学の学生の成績を予測しました。2014年の研究は、陸軍特殊部隊の選抜、営業職の定着、高校の卒業、結婚の継続でも、グリットの高い人ほど途中でやめにくいと報告しています。ダックワースは著書『やり抜く力 GRIT』(2016年)でこれを広め、エリクソンの「意図的な練習」研究(1993年)、ドゥエックの成長マインドセット、ミシェルのマシュマロ実験、フローとともに、非認知能力をめぐる議論を代表する概念となりました。

批判と評価

2017年、マーカス・クレデらは88サンプル・6万人超を統合したメタ分析で、グリットと成果の関連は中程度にとどまり、ビッグファイブの誠実性と大きく重なるため新しい概念とはいいにくいと指摘しました。予測力の大半は「努力の粘り強さ」によるもので、「興味の一貫性」の寄与は小さかったとされます。自己報告式尺度の限界や、個人の粘り強さを強調することで貧困や差別といった構造的な要因が見えにくくなるという懸念もあります。一方で、自己決定理論や達成動機理論とあわせて読むと、意味のある目標と内発的な興味が長期的な努力を支えるという点で示唆があると評価されています。

よくある質問

グリットは生まれつき?
双生児研究ではグリットの一部に遺伝の影響があると報告されていますが、年齢とともに得点が上がる傾向もあり、経験や環境の影響も大きいと解釈されています。
グリットと誠実性は同じ?
非常に近い概念です。メタ分析では両者の相関が高く、グリットを誠実性の一側面とみなす研究者も多くいます。ダックワースは長期目標への一貫性が違いだと説明しています。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Galton, F. (1869). Hereditary Genius: An Inquiry into Its Laws and Consequences. London: Macmillan.
  2. Mischel, W., Shoda, Y., & Rodriguez, M. L. (1989). Delay of gratification in children. Science, 244(4907), 933–938.
  3. Ericsson, K. A., Krampe, R. T., & Tesch-Römer, C. (1993). The role of deliberate practice in the acquisition of expert performance. Psychological Review, 100(3), 363–406.
  4. Dweck, C. S. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. New York: Random House.
  5. Duckworth, A. L., Peterson, C., Matthews, M. D., & Kelly, D. R. (2007). Grit: Perseverance and passion for long-term goals. Journal of Personality and Social Psychology, 92(6), 1087–1101.
  6. Duckworth, A. L., & Quinn, P. D. (2009). Development and validation of the Short Grit Scale (Grit-S). Journal of Personality Assessment, 91(2), 166–174.
  7. Moffitt, T. E., et al. (2011). A gradient of childhood self-control predicts health, wealth, and public safety. PNAS, 108(7), 2693–2698.
  8. Eskreis-Winkler, L., Shulman, E. P., Beal, S. A., & Duckworth, A. L. (2014). The grit effect: Predicting retention in the military, the workplace, school and marriage. Frontiers in Psychology, 5, 36.
  9. Duckworth, A. (2016). Grit: The Power of Passion and Perseverance. New York: Scribner.
  10. Credé, M., Tynan, M. C., & Harms, P. D. (2017). Much ado about grit: A meta-analytic synthesis of the grit literature. Journal of Personality and Social Psychology, 113(3), 492–511.

この理論を使ったレポート・資料(韓国語)

この理論だけを扱った資料はまだありませんが、CampusDown 資料室(韓国語)で関連レポートを検索できます。

レポートをもっと探す・「그릿」の検索結果 →
成長マインドセット成長マインドセット(growth mindset)の意味とキャロル・ドゥエックの研究、固定マインドセットとの違い、能力ではなくプロセスをほめる方法、メタ分析やアメリカの全国実験が示した実際の効果と批判、家庭や学校での生かし方をまとめました。📚 教育学マシュマロ・テストマシュマロ・テスト(満足遅延課題)の内容とウォルター・ミシェルの研究、待てた子どものその後に関する元の結果、2018年の追試が示した家庭環境の影響、待つための方略と子どもの自己制御を育てる方法をまとめました。🧠 心理学フロー(心理学)心理学でいうフロー(flow、フロー体験)の意味、ミハイ・チクセントミハイの研究と経験サンプリング法、挑戦とスキルのバランスモデル、フローの特徴、仕事と余暇のパラドックス、勉強や仕事でフローを体験する方法をまとめました。🧠 心理学自己決定理論デシとライアンの自己決定理論の解説:自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求、無動機から内発的動機づけまでの連続体、認知的評価理論など6つのミニ理論、教育・職場・スポーツへの応用と批判。🧠 心理学達成動機理論達成動機理論の意味とマクレランドの達成欲求・親和欲求・権力欲求、TATによる測定、達成動機の高い人の特徴(中程度のリスク・フィードバック・責任)、アトキンソンの成功接近・失敗回避動機と公式、教育やビジネスでの活用を解説します。🧠 心理学メタ認知と内発的動機づけメタ認知と内発的動機づけ:フラベルのメタ認知的知識と調整、計画・モニタリング・評価、デシとライアンの自己決定理論、アンダーマイニング効果、そして両者が自己調整学習の中でどのように結びつくかを解説する。📚 教育学

あわせて読みたい理論

最新記事すべて見る ›

大学の勉強・課題に役立つ新着記事(韓国語)

この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。