導入の背景
韓国の退職金は転職のたびに一時金で受け取り、生活費に消えてしまうことが多いと指摘されてきました。2005年施行の「勤労者退職給付保障法」で企業型のDB・DCとともに、退職金を移す「個人退職口座(IRA)」が誕生。2012年の改正でIRPに改称され自営業者にも拡大し、2017年からは所得のある人なら誰でも加入可能に。2022年からは55歳前に退職した人の退職金は原則IRPに移すことが義務化されました。
税制優遇と運用ルール
自主拠出分は年金貯蓄と合算して年900万ウォンまで13.2〜16.5%の税額控除となり、年末調整で最大148万5千ウォンが戻ります。IRPで受けた退職金を年金で分割受取すると退職所得税が30%(10年超は40%)軽減されます。ただし株式型ファンドやETFなどのリスク資産は積立金の70%までで、残りは預金や債券型で保有する必要があります。日本の企業型DCから個人型iDeCoへの移換に近いイメージです。
中途引き出しと注意点
IRPは年金貯蓄と違い一部引き出しが原則できず、無住宅者の住宅購入、6か月以上の療養、破産・個人再生、天災など法定事由がある場合に限られます。事由なく解約すると全額解約となり16.5%が課税されます。流動性が必要な資金はISAに、確実な老後資金だけIRPに置くのが一般的です。
よくある質問
- 会社員でなくても加入できますか?
- はい、2017年から自営業者やフリーランスも所得があれば加入できます。
- 一部だけ引き出せますか?
- 法定事由がなければ一部引き出しはできず、全額解約となります。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- 근로자퇴직급여 보장법 제24조(개인형퇴직연금제도의 설정 및 운영).
- 고용노동부·금융감독원. (2024). 퇴직연금 통계.
- 소득세법 제59조의3.
