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自己奉仕バイアス

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
自己奉仕バイアスとは、人が成功を自分の能力や努力といった内的要因に、失敗を運や課題の難しさ、他人といった外的要因に帰属させる傾向を指します。「セルフ・サービング・バイアス」や「自己高揚バイアス」とも呼ばれます。自尊心を守り高めようとする動機から生じるという説明と、期待や情報処理の違いから生じるという説明がともに示されています。帰属理論、組織行動、交渉、文化心理学の研究で広く扱われています。
目次
  1. 1. 概念と初期の論争
  2. 2. メタ分析と文化差
  3. 3. 組織と経済における自己奉仕バイアス
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

概念と初期の論争

ハイダー(1958年)は、行動の原因を解釈する仕方に自分の願望が入り込みうると考えました。ミラーとロス(1975年)は、成功を自分に、失敗を外部に帰属させる傾向を検討し、失敗を外部に帰する証拠は弱く、多くの結果は期待と実際の結果の比較のような認知的過程でも説明できると主張しました。これに対しザッカーマン(1979年)は38の研究を検討し、成功と失敗の帰属の違いは自尊心を守ろうとする動機を反映していると反論しました。ロスとシコリー(1979年)は、夫婦や共同作業者が共同の成果について各自の貢献をより大きく記憶する「自己中心的バイアス」を示し、記憶の利用可能性も一因だと説明しました。

メタ分析と文化差

キャンベルとセディキデス(1999年)はメタ分析で、自己奉仕バイアスは自分が脅かされる状況、たとえば重要な課題での失敗で大きくなることを示しました。メズリスら(2004年)は266の研究を総合し、自己奉仕バイアスは生涯を通じて大きく、児童期と老年期に特に強く、抑うつ的な人では弱いと報告しました。同じ分析では、アジアの標本のバイアスはアメリカの標本より小さいものでした。ハイネと浜村(2007年)は、東アジアの人々では自己高揚の傾向が西洋の人々より一貫して弱いとまとめています。テイラーとブラウン(1988年)は、こうした「ポジティブ・イリュージョン」が精神的健康や動機づけの維持に役立ちうるという見方を示し、論争を呼びました。

組織と経済における自己奉仕バイアス

ベットマンとワイツ(1983年)はアメリカ企業の年次報告書を分析し、経営陣がよい業績は自社の戦略と努力のおかげ、悪い業績は景気や政府の規制といった外部環境のせいと説明する傾向を報告しました。スヴェンソン(1981年)の調査では大多数の運転者が自分の運転技術は平均より上だと答え、これは自信過剰バイアスともつながります。バブコックら(1995年)の交渉実験では、同じ事件資料を受け取った原告役と被告役の参加者が公正な和解額を自分に有利に判断し、その差が大きいほど交渉が決裂しやすいことが明らかになりました。シェパード、マローン、スウィーニー(2008年)は、自己奉仕バイアスの原因を動機、認知、自己呈示の側面から整理しました。この概念は基本的帰属の誤り、行為者-観察者バイアス、動機づけられた推論とともに論じられます。

よくある質問

自己奉仕バイアスを簡単に言うと?
試験がうまくいけば「自分が頑張ったから」、だめなら「問題がおかしかったから」と考える傾向です。よい結果は自分の手柄、悪い結果は他人や状況のせいにすることです。
自己奉仕バイアスはどの文化でも同じように現れますか?
そうではありません。メタ分析によれば、アメリカなど西洋の標本でより強く、東アジアの標本では比較的弱く現れます。年齢、抑うつの程度、課題の重要性によっても大きさが変わります。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Heider, F. (1958). The Psychology of Interpersonal Relations. New York: Wiley.
  2. Miller, D. T., & Ross, M. (1975). Self-serving biases in the attribution of causality: Fact or fiction? Psychological Bulletin, 82(2), 213–225.
  3. Zuckerman, M. (1979). Attribution of success and failure revisited, or: The motivational bias is alive and well in attribution theory. Journal of Personality, 47(2), 245–287.
  4. Ross, M., & Sicoly, F. (1979). Egocentric biases in availability and attribution. Journal of Personality and Social Psychology, 37(3), 322–336.
  5. Svenson, O. (1981). Are we all less risky and more skillful than our fellow drivers? Acta Psychologica, 47(2), 143–148.
  6. Bettman, J. R., & Weitz, B. A. (1983). Attributions in the board room: Causal reasoning in corporate annual reports. Administrative Science Quarterly, 28(2), 165–183.
  7. Taylor, S. E., & Brown, J. D. (1988). Illusion and well-being: A social psychological perspective on mental health. Psychological Bulletin, 103(2), 193–210.
  8. Babcock, L., Loewenstein, G., Issacharoff, S., & Camerer, C. (1995). Biased judgments of fairness in bargaining. American Economic Review, 85(5), 1337–1343.
  9. Campbell, W. K., & Sedikides, C. (1999). Self-threat magnifies the self-serving bias: A meta-analytic integration. Review of General Psychology, 3(1), 23–43.
  10. Mezulis, A. H., Abramson, L. Y., Hyde, J. S., & Hankin, B. L. (2004). Is there a universal positivity bias in attributions? A meta-analytic review of individual, developmental, and cultural differences in the self-serving attributional bias. Psychological Bulletin, 130(5), 711–747.
  11. Heine, S. J., & Hamamura, T. (2007). In search of East Asian self-enhancement. Personality and Social Psychology Review, 11(1), 4–27.
  12. Shepperd, J., Malone, W., & Sweeny, K. (2008). Exploring causes of the self-serving bias. Social and Personality Psychology Compass, 2(2), 895–908.

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この記事は2026年10月27日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。