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種数面積関係

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
種数面積関係とは、調査地域の面積が広くなるほど、その中で見つかる生物の種数が増えるという生態学の経験則です。一般に S = cA^z という形のべき関数で表され、S は種数、A は面積、z はおおむね0.15から0.35のあいだの値をとります。スウェーデンの研究者オロフ・アレニウス(1921年)がこの形を初めて示しました。
目次
  1. 1. 起源と基本的な形
  2. 2. 理論的な説明と島の生物地理学
  3. 3. 保全への応用と限界
  4. 4. よくある質問
  5. 5. 参考文献

起源と基本的な形

19世紀英国の植物学者ヒューエット・ワトソン(1859年)は、英国の植物目録をまとめるなかで、面積が広いほど種数が増えることを記録しました。オロフ・アレニウス(1921年)はこれを S = cA^z というべき関数で表し、グリーソン(1922年)は種数が面積の対数に比例するという別のモデルを提案しました。べき関数の両辺の対数をとると直線になるため、傾き z が面積の増加に伴う種数の増え方を表します。経験的には、面積が10倍になると種数はおよそ2倍になるという目安がよく使われます。この関係はべき乗則の代表的な生物学の例です。

理論的な説明と島の生物地理学

プレストン(1962年)は、種ごとの個体数が対数正規分布に従うと仮定すれば種数面積曲線の z 値が約0.26になるという「標準分布」の理論を示しました。マッカーサーとウィルソン(1967年)の島の生物地理学は、島の種数は新たな種の移入と既存の種の絶滅のつり合いで決まると考え、大きな島ほど絶滅率が低いためより多くの種を維持できると説明しました。コナーとマッコイ(1979年)は、種数面積関係の原因として生息環境の多様性、サンプリング効果、移入と絶滅のつり合いを区別し、統計上の論点を整理しました。ローゼンツヴァイク(1995年)は、空間スケールによって曲線の形と傾きが変わることを総合的にまとめています。

保全への応用と限界

ダイアモンド(1975年)は種数面積関係をもとに、一つの大きな保護区は複数の小さな保護区よりも優れているという設計原則を提案しましたが、シンバーロフとアベル(1976年)は必ずしもそうではないと反論し、いわゆるSLOSS論争が起こりました。ピムら(1995年)とトーマスら(2004年)は、この関係を用いて生息地の消失や気候変動による将来の絶滅の規模を推計しました。しかし、ヒーとハッベル(2011年)は、種数面積曲線を逆向きに当てはめると生息地の消失による絶滅率が過大に推計されると指摘しました。トリアンティス、ギヨモン、ウィテカー(2012年)は、島のデータにどの数理モデルが最もよく当てはまるかを比較し、生物学的な解釈と統計的なモデル選択の問題をあわせて論じています。

よくある質問

種数面積関係を簡単に説明すると?
調べる土地が広くなるほど見つかる生物の種類が増え、その増え方が一定の数学的な規則に従うということです。おおよそ面積が10倍になると種数は2倍ほどになります。
保全政策でなぜ重要なのですか?
保護区の大きさや設計、生息地の消失がどれほどの種を失わせるかを考えるのに使われますが、絶滅率を過大に見積もりうるという限界も指摘されています。

出典確認日:2026-10-26

参考文献

  1. Arrhenius, O. (1921). Species and area. Journal of Ecology, 9(1), 95–99.
  2. Gleason, H. A. (1922). On the relation between species and area. Ecology, 3(2), 158–162.
  3. Watson, H. C. (1859). Cybele Britannica (Vol. 4). London: Longman.
  4. Preston, F. W. (1962). The canonical distribution of commonness and rarity: Part I. Ecology, 43(2), 185–215.
  5. MacArthur, R. H., & Wilson, E. O. (1967). The Theory of Island Biogeography. Princeton: Princeton University Press.
  6. Connor, E. F., & McCoy, E. D. (1979). The statistics and biology of the species–area relationship. American Naturalist, 113(6), 791–833.
  7. Diamond, J. M. (1975). The island dilemma: Lessons of modern biogeographic studies for the design of natural reserves. Biological Conservation, 7(2), 129–146.
  8. Simberloff, D. S., & Abele, L. G. (1976). Island biogeography theory and conservation practice. Science, 191(4224), 285–286.
  9. Rosenzweig, M. L. (1995). Species Diversity in Space and Time. Cambridge: Cambridge University Press.
  10. Pimm, S. L., Russell, G. J., Gittleman, J. L., & Brooks, T. M. (1995). The future of biodiversity. Science, 269(5222), 347–350.
  11. Thomas, C. D., et al. (2004). Extinction risk from climate change. Nature, 427(6970), 145–148.
  12. He, F., & Hubbell, S. P. (2011). Species–area relationships always overestimate extinction rates from habitat loss. Nature, 473(7347), 368–371.
  13. Triantis, K. A., Guilhaumon, F., & Whittaker, R. J. (2012). The island species–area relationship: Biology and statistics. Journal of Biogeography, 39(2), 215–231.

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この記事は2026年10月26日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。