スマホ首(ストレートネック)とは?
横から見たときに耳が肩のラインより前に出ている姿勢を頭部前方位姿勢といい、日本ではスマホ首とも呼ばれます。厳密には、レントゲンで首の骨の自然なカーブが失われた状態をストレートネックといいますが、両者は一緒にみられることが多く、ほぼ同じ意味で使われています。成人の頭の重さは約5kgですが、うつむくほど首への負担は大きくなります。Hansraj(2014)のモデル計算では、15度で約12kg、60度で約27kgの力が首にかかりました。
原因と症状
- 原因:スマホを見下ろす姿勢、低いモニター、ノートパソコンの長時間使用、運動不足
- 症状:首・肩のこり、緊張型頭痛、猫背、(頸椎椎間板ヘルニアを伴う場合)腕のしびれ
Kim と Koo(2016)の実験では、頭部前方位姿勢のある成人はスマホの使用時間が長いほど首・肩の筋疲労と痛みが強くなりました。
セルフチェックの方法は?
かかと・お尻・肩甲骨を壁につけて立ったとき、後頭部が自然に壁につかなければ頭が前に出ている可能性があります。
改善エクササイズと生活習慣
- あご引き運動:あごを水平に後ろへ引き、二重あごをつくるように5秒キープ、10回
- 胸のストレッチ:ドア枠に腕を当てて体を前に傾け、胸の筋肉を伸ばす
- 背中の筋トレ:肩甲骨を寄せる運動
Harman ら(2005)のランダム化比較試験では、10週間の筋力・ストレッチ運動で頭部前方位姿勢が改善しました。モニターは目の高さに合わせ、20〜30分ごとに顔を上げて休みましょう。手首を曲げたままの作業は手根管症候群、長時間の画面作業はVDT症候群にもつながります。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 運動だけで治りますか?
- 姿勢の癖が原因なら、運動と環境の見直しで改善することが多いです。腕のしびれや脱力がある場合は、椎間板の異常がないか受診して確認しましょう。
- どんな枕がよいですか?
- あお向けで首のカーブを支え、顔がまっすぐ上を向く高さがすすめられます。
出典確認日:2026-10-25
関連項目: 五十肩(肩関節周囲炎)、腰椎椎間板ヘルニア
参考文献
- Hansraj, K. K. (2014). Assessment of stresses in the cervical spine caused by posture and position of the head. Surgical Technology International, 25, 277–279.
- Kim, S.-Y., & Koo, S.-J. (2016). Effect of duration of smartphone use on muscle fatigue and pain caused by forward head posture in adults. Journal of Physical Therapy Science, 28(6), 1669–1672.
- Harman, K., Hubley-Kozey, C. L., & Butler, H. (2005). Effectiveness of an exercise program to improve forward head posture in normal adults: A randomized, controlled 10-week trial. Journal of Manual & Manipulative Therapy, 13(3), 163–176.
