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海洋酸性化

🔬 自然科学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
要点:海洋酸性化とは、海洋が二酸化炭素を吸収することで海水のpHと炭酸イオンが低下する現象です。海水は弱アルカリ性のままですが、この変化によって生物が殻や骨格をつくりにくくなります。
目次
  1. 1. 炭酸平衡
  2. 2. どれほど変化したか
  3. 3. 生態系への影響
  4. 4. 対策
  5. 5. 参考文献

炭酸平衡

溶け込んだCO2は水と反応して炭酸となり、それが水素イオンと炭酸水素イオンに解離します。増えた水素イオンが炭酸イオンと結合するため、炭酸イオン濃度が低下します。

  • CO2 + H2O ⇌ H2CO3 ⇌ H+ + HCO3-
  • H+ + CO3 2- ⇌ HCO3-

どれほど変化したか

海洋は人為的なCO2排出量のおよそ4分の1を吸収してきました。ハワイ海洋時系列観測などの長期記録が示すように、表層のpHは約8.2から約8.1に低下し、水素イオン濃度はおよそ30%増加しました。

生態系への影響

  • 石灰化生物:サンゴ、カキ、イガイ、翼足類は炭酸カルシウムの殻をつくります。飽和度が下がると成長が遅れたり殻が溶けたりします。
  • 食物網:翼足類などのプランクトンの減少は魚類や漁業に影響します。
  • 温暖化と重なり、すでに白化で弱っているサンゴ礁をさらに弱らせます。

対策

根本的な対策はCO2排出の削減であり、あわせて観測ネットワーク、貝類養殖場での水質管理、海洋保護区が進められています。

参考文献

  1. Doney, S. C., Fabry, V. J., Feely, R. A., & Kleypas, J. A. (2009). Ocean acidification: The other CO2 problem. Annual Review of Marine Science, 1, 169-192.
  2. Caldeira, K., & Wickett, M. E. (2003). Anthropogenic carbon and ocean pH. Nature, 425, 365.
  3. Orr, J. C., Fabry, V. J., Aumont, O., et al. (2005). Anthropogenic ocean acidification over the twenty-first century and its impact on calcifying organisms. Nature, 437, 681-686.
  4. IPCC (2019). Special Report on the Ocean and Cryosphere in a Changing Climate. Cambridge University Press.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。