CampusDownWiki CampusDown(韓国語)↗
日本語

ウィレンスキー=ルボーとティトマスの福祉モデル

🤝 社会福祉学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ひとことで言うと、ウィレンスキーとルボーは社会福祉を、家族と市場が機能しないときだけ介入する残余的福祉と、社会の正常な制度としての制度的福祉に分けました。ティトマスはこれに労働の成果と結びついた産業的業績達成モデルを加え、3分法を示しました。
目次
  1. 1. 概要
  2. 2. ウィレンスキーとルボーの2分法
  3. 3. ティトマスの3分法
  4. 4. 比較
  5. 5. 福祉の社会的分業とその後の議論
  6. 6. 参考文献

概要

社会福祉にどのような役割を与えるかは、福祉国家の性格を分ける基本的な問いです。アメリカのウィレンスキー(Harold L. Wilensky)とルボー(Charles N. Lebeaux)は『産業社会と社会福祉』(1958)で二つの福祉概念を示し、イギリスのティトマス(Richard M. Titmuss)は没後に刊行された『社会福祉政策』(Social Policy: An Introduction、1974)で三つのモデルを示しました。韓国の社会福祉学ではそれぞれ「2分法」「3分法」と呼ばれることが多いです。ウィレンスキーは社会福祉政策の発展理論の産業化(収斂)論でも知られますが、本項は福祉の性格を区分するモデルを扱います。

ウィレンスキーとルボーの2分法

  • 残余的福祉(residual):家族と市場という「正常な」供給経路が機能しなくなったときだけ、一時的・補充的に介入する福祉です。対象は貧困層などの少数に限られ、資力調査とスティグマを伴いやすく、公的扶助が典型です。
  • 制度的福祉(institutional):産業社会で個人が直面するリスクに対応する、正常で第一次的な社会制度としての福祉です。すべての市民を対象とし、スティグマがなく、社会保険や普遍的サービスがこれに当たります。
  • 見通し:二人は、産業化が進むにつれてアメリカの福祉も残余的概念から制度的概念へ移っていくと考えました。

ティトマスの3分法

  • 残余的福祉モデル:個人のニーズはまず市場と家族が満たし、それらが失敗したときだけ国家が一時的に介入します。
  • 産業的業績達成モデル(industrial achievement-performance model):福祉を経済の「侍女」(handmaiden)とみなし、労働の成果・生産性・地位に応じて給付します。所得比例の社会保険が典型です。
  • 制度的再分配モデル(institutional redistributive model):福祉を社会に統合された主要な制度とみなし、市場の外でニーズにもとづいて普遍的サービスを提供し、平等と再分配を追求します。

比較

区分残余的産業的業績達成制度的(再分配)
国家の役割最小限・補充的経済的成果の補完積極的・第一次的
給付の基準資力調査、貧困拠出・就労実績ニーズ、シティズンシップ
配分原理選別主義拠出原則普遍主義
代表的制度公的扶助所得比例の社会保険普遍的手当・サービス

配分原理の違いは普遍主義と選別主義の議論に、権利としての福祉という見方はマーシャルのシティズンシップ論につながります。

福祉の社会的分業とその後の議論

ティトマスは『福祉国家論集』(1958)で、国家による社会福祉のほかに、税の控除による財政福祉(fiscal welfare)と雇用主が提供する職域福祉(occupational welfare)があり、これらがむしろ中間層に有利に働きうると指摘しました。こうしたモデル論はその後、エスピン=アンデルセン(Esping-Andersen, 1990)が脱商品化と階層化を基準に自由主義・保守主義(コーポラティズム)・社会民主主義の福祉レジームを区分した議論へと発展しました。おおむね残余的モデルは自由主義、産業的業績達成モデルは保守主義、制度的再分配モデルは社会民主主義のレジームに対応します。

参考文献

  1. Wilensky, H. L., & Lebeaux, C. N. (1958). Industrial Society and Social Welfare. New York: Russell Sage Foundation.
  2. Titmuss, R. M. (1958). Essays on 'The Welfare State'. London: George Allen & Unwin.
  3. Titmuss, R. M. (1974). Social Policy: An Introduction (B. Abel-Smith & K. Titmuss, Eds.). London: George Allen & Unwin.
  4. Esping-Andersen, G. (1990). The Three Worlds of Welfare Capitalism. Princeton, NJ: Princeton University Press.

この理論を使ったレポート・資料(韓国語)

この理論だけを扱った資料はまだありませんが、CampusDown 資料室(韓国語)で関連レポートを検索できます。

レポートをもっと探す・「윌렌스키·르보와 티트머스의 복지 모형」の検索結果 →

あわせて読みたい理論

この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。