歴史
1957年、米ウィスコンシン大学のフレデリック・クレインは牛の心臓のミトコンドリアから黄色い物質を分離し、翌年メルク社のカール・フォルカーズが構造を決定しました。体のどこにでもある(ubiquitous)ことから「ユビキノン」と呼ばれます。英国のピーター・ミッチェルがこうした物質が電子を運んでATPをつくる化学浸透説で1978年にノーベル化学賞を受け重要性が知られ、日本では1970年代に心臓の薬として先に使われました。
効果の根拠
2014年のQ-SYMBIO試験では、慢性心不全の患者が1日300mgを2年間飲むと主要な心臓イベントが減りましたが、規模が小さく標準治療にはなっていません。スタチンは体内のCoQ10合成も減らすため筋肉痛の緩和に試されますが、結果は分かれています。片頭痛予防や血圧には弱い根拠があり、肌の老化・運動能力・疲労の改善をうたう宣伝は根拠に乏しいです。オメガ3と同様にサプリとして売られますが、本当の欠乏はまれです。
飲み方と注意
脂溶性なので脂質を含む食事の後に飲むとよく吸収されます。肉、青魚、ナッツにも少し含まれますが、食事だけでサプリの量(1日100〜300mg)に届くのは難しいです。副作用は胸やけや不眠など軽いことが多いものの、ワルファリンの効果を弱めることがあるため、抗凝固薬を飲んでいる人や妊娠中、手術予定の人は医師に相談しましょう。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- 還元型のほうがいい?
- 還元型(ユビキノール)は吸収がよいという研究がありますが、健康効果の差ははっきり証明されていません。
- いつ飲むのがいい?
- 脂質を含む食事の直後がよく、眠れなくなるなら夜より朝か昼に飲みましょう。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- Crane, F. L., et al. (1957). Isolation of a quinone from beef heart mitochondria. Biochimica et Biophysica Acta, 25, 220–221.
- Mortensen, S. A., et al. (2014). The effect of coenzyme Q10 on morbidity and mortality in chronic heart failure (Q-SYMBIO). JACC: Heart Failure, 2(6), 641–649.
- National Center for Complementary and Integrative Health. (2023). Coenzyme Q10.
