歴史
1906年、ドイツの精神科医アロイス・アルツハイマーは、記憶を失い妄想を示して亡くなった50代の女性アウグステ・データーの脳から老人斑と神経原線維変化を見つけ報告しました。病気は彼の名で呼ばれるようになり、アミロイド仮説の研究へとつながりました。かつては「ぼけ」として老化の一部と見なされましたが、今は脳の病気と理解されています。日本では2004年に「痴呆」から「認知症」へ呼称が改められました。
種類と初期症状
アルツハイマー型が60〜70%と最も多く、脳卒中後の血管性認知症、幻視とパーキンソン症状を伴うレビー小体型、性格や言語が先に変わる前頭側頭型があります。もの忘れはヒントで思い出せますが、認知症は体験そのものを忘れ、同じ質問の繰り返し、道に迷う、お金の計算ミス、性格の変化が現れます。前段階の軽度認知障害(MCI)を早く見つけることが大切です。
予防と治療
2024年のランセット委員会は、難聴、高血圧、喫煙、肥満、運動不足、うつ、糖尿病、社会的孤立、高LDLコレステロール、視力低下、大気汚染など14の危険因子への対策で約45%の認知症を予防・遅延できると推計しました。ドネペジルなどの薬は進行を緩やかにし、レカネマブなどの抗アミロイド抗体薬も早期の患者に使われ始めています。
この記事は一般的な健康情報であり、診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医師に相談してください。
よくある質問
- もの忘れとの違いは?
- もの忘れはヒントで思い出せますが、認知症は体験自体を忘れ日常生活に支障が出ます。
- 認知症は遺伝する?
- 多くは年齢や生活要因が大きく、若年発症の家族性アルツハイマー病のように遺伝が強い例はまれです。
出典確認日:2026-10-26
参考文献
- World Health Organization. (2023). Dementia (Fact sheet).
- Livingston, G., et al. (2024). Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet standing Commission. The Lancet, 404(10452), 572–628.
- 보건복지부·중앙치매센터. (2024). 대한민국 치매현황 2023.
