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ベックの認知療法

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ひとことで言うと、ベックの認知療法は、感情や行動は出来事そのものよりもその解釈に左右されると考え、歪んだ自動思考や信念を見つけ、検証し、変えるのを助ける構造化された短期の治療法です。米国の精神科医アーロン・ベックが1960年代にうつ病患者との臨床から始め、認知行動療法(CBT)の基盤となりました。
目次
  1. 1. 認知の三つのレベル
  2. 2. うつ病の認知の三徴
  3. 3. 代表的な認知の歪み
  4. 4. 方法
  5. 5. REBTとの違い
  6. 6. 参考文献

認知の三つのレベル

  • 自動思考:ある場面でふと浮かぶ短い考え(例:「また失敗した」)。
  • 媒介信念:ルール、態度、思い込み(例:「完璧でなければ失敗だ」)。
  • 中核信念(スキーマ):自分・他者・世界についての深く全般的な信念(例:「自分は無能だ」)。

うつ病の認知の三徴

ベックは、うつ状態の人は自分自身、世界(自分の経験)、未来を否定的に見る傾向があると観察し、これを認知の三徴と呼びました。

代表的な認知の歪み

  • 全か無か思考(白黒思考)
  • 過度の一般化
  • 心のフィルター(否定的な面だけを見る)
  • 恣意的推論(結論への飛躍)、読心術
  • 拡大解釈と過小評価、破局化
  • 個人化、レッテル貼り、「すべき」思考

方法

治療者とクライエントは考えを仮説として扱い、一緒に証拠を検討します(協同的経験主義)。治療者は答えを教えるのではなく、クライエントが自ら気づけるようソクラテス式質問を用います。面接は構造化されており、アジェンダ設定、ホームワークの振り返り、思考記録、行動実験、新しいホームワークという流れです。適用はうつ病から不安障害などへ広がりました。

REBTとの違い

どちらも考えが感情を生むとしますが、エリスの論理情動行動療法では治療者が非合理な信念に積極的に反論するのに対し、ベックの療法はクライエントと一緒に証拠に照らして考えを検証することをより重視します。認知的な観点全体については認知理論を参照してください。

関連項目: 認知行動理論

参考文献

  1. Beck, A. T. (1976). Cognitive Therapy and the Emotional Disorders. International Universities Press.
  2. Beck, A. T., Rush, A. J., Shaw, B. F., & Emery, G. (1979). Cognitive Therapy of Depression. Guilford Press.
  3. Beck, J. S. (2021). Cognitive Behavior Therapy: Basics and Beyond (3rd ed.). Guilford Press.
  4. Burns, D. D. (1980). Feeling Good: The New Mood Therapy. William Morrow.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。