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認知行動理論

🧠 心理学 執筆 CampusDown ウィキ編集部 最終更新
ひとことで言うと、認知行動理論は、思考・感情・行動が互いに影響し合うと考え、歪んだ考え方と不適応な行動を構造化された技法で変えることで心理的問題を減らそうとする理論と療法の総称です。行動療法と認知療法の統合から生まれ、現在では受容とマインドフルネスを加えた第三の波も含みます。
目次
  1. 1. 概念と範囲
  2. 2. 第一の波:行動療法
  3. 3. 第二の波:認知の導入
  4. 4. マイケンバウムの認知行動変容
  5. 5. 第三の波
  6. 6. 効果と批判
  7. 7. 参考文献

概念と範囲

認知行動理論は一人の理論ではなく、いくつかのアプローチをまとめた呼び名です。共通の前提は、出来事そのものよりも人がそれをどう解釈するかが感情と行動に影響し、その解釈と行動は学習されたものなので学び直せるということです。治療は現在の問題に焦点を当て、目標とホームワークを伴う短期の構造化されたセッションで進められます。認知面の基礎は認知理論で扱います。

第一の波:行動療法

この流れは、行動主義の学習原理である古典的条件づけとオペラント条件づけを臨床問題に応用しました。ウォルピ(1958)は、リラクセーションと不安階層を組み合わせた系統的脱感作を導入しました。曝露反応妨害法、トークン・エコノミーと強化スケジュール、行動リハーサル、モデリング、リラクセーション訓練などの技法は、今もCBTの中核的な道具です。

第二の波:認知の導入

1960〜70年代には、観察可能な行動だけではうつや不安を十分に説明できないという認識が強まりました。エリス(1962)は非合理的信念に反論する論理情動療法を、ベック(1976)は自動思考と認知の歪みを検証する認知療法を体系化しました。これらが行動技法と統合されるにつれ、認知行動療法という名称が定着しました。

マイケンバウムの認知行動変容

マイケンバウム(1977)は、人が自分自身に語りかける言葉(自己陳述)を変える自己教示訓練を開発しました。衝動的な子どもは、まずセラピストの指示を声に出して繰り返し、次第にそれを心の中で唱えて行動を調整するよう教えられます。彼のストレス免疫訓練(1985)は、概念化、スキルの獲得とリハーサル、適用とフォロースルーの三段階を通じて、対処スキルを前もって身につけさせます。

第三の波

ヘイズ(2004)は、思考の内容ではなく思考との関係を変える流れを第三の波と呼びました。アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)は受容と価値に基づく行動を、リネハン(1993)の弁証法的行動療法(DBT)は受容と変化のバランスと感情調節スキルを、シーガル、ウィリアムズ、ティーズデール(2002)のマインドフルネス認知療法(MBCT)はうつ病の再発予防のためのマインドフルネスを重視します。

効果と批判

ホフマンら(2012)はメタ分析を検討し、CBTの効果の証拠は不安障害、身体表現性障害、怒りのコントロール、一般的なストレスなどで強いと結論づけました。一方で、過去の経験や治療関係への注意が少なく、マニュアル中心の形式では個人の文脈を見落としうるという批判もあります。

参考文献

  1. Wolpe, J. (1958). Psychotherapy by reciprocal inhibition. Stanford, CA: Stanford University Press.
  2. Ellis, A. (1962). Reason and emotion in psychotherapy. New York: Lyle Stuart.
  3. Beck, A. T. (1976). Cognitive therapy and the emotional disorders. New York: International Universities Press.
  4. Meichenbaum, D. (1977). Cognitive-behavior modification: An integrative approach. New York: Plenum.
  5. Meichenbaum, D. (1985). Stress inoculation training. New York: Pergamon.
  6. Linehan, M. M. (1993). Cognitive-behavioral treatment of borderline personality disorder. New York: Guilford.
  7. Segal, Z. V., Williams, J. M. G., & Teasdale, J. D. (2002). Mindfulness-based cognitive therapy for depression. New York: Guilford.
  8. Hayes, S. C. (2004). Acceptance and commitment therapy, relational frame theory, and the third wave of behavioral and cognitive therapies. Behavior Therapy, 35(4), 639-665.
  9. Hofmann, S. G., Asnaani, A., Vonk, I. J. J., Sawyer, A. T., & Fang, A. (2012). The efficacy of cognitive behavioral therapy: A review of meta-analyses. Cognitive Therapy and Research, 36(5), 427-440.

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この記事は2026年10月15日に最終更新されました。内容は広く知られた原典と教科書に基づいて整理していますが、レポートで引用する際は参考文献の原典を必ず確認してください。