原因と遺伝
FMR1遺伝子は1991年に特定されました。通常のアレルはCGGリピートが約45回までで、55~200回は前変異(プレミューテーション)、200回を超えると完全変異となり、遺伝子がメチル化されて不活性化し、シナプスの発達に必要なFMRPタンパク質が欠如します。前変異を持つ母親から受け継がれる際にリピートが伸長することがあります。
症状
- 男性は通常中等度の知的障害を示す。X染色体を2本持つ女性は軽症であることが多い。
- 視線回避、不安、多動、感覚過敏があり、自閉症と重なることが多い。
- 面長の顔、大きな耳、関節の柔軟性、思春期以降の精巣の肥大。
- 前変異の保因者には早発卵巣不全(FXPOI)や遅発性の振戦・失調症候群(FXTAS)のリスクがある。
診断と支援
染色体に見られる「脆弱部位」にちなんで名付けられましたが、現在はリピート数を調べるPCRとサザンブロットのDNA検査で診断されます。根治法はありませんが、早期介入、言語療法・作業療法、行動面の支援、標的を絞った薬物療法、家族への遺伝カウンセリングが役立ちます。
参考文献
- Verkerk, A. J., et al. (1991). Identification of a gene (FMR-1) containing a CGG repeat coincident with a breakpoint cluster region exhibiting length variation in fragile X syndrome. Cell, 65(5), 905-914.
- Hagerman, R. J., et al. (2017). Fragile X syndrome. Nature Reviews Disease Primers, 3, 17065.
- Hunter, J. E., Berry-Kravis, E., Hipp, H., & Todd, P. K. (2019). FMR1 disorders. In GeneReviews. University of Washington, Seattle.